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2017年06月20日

ウクライナの紛争地帯で奮闘する「移動式歯医者」の日常

2016年3月、ウクライナ東部で繰り広げられていた紛争を取材していた米国出身のフォトジャーナリスト、ピート・キーハートはハイウェイでとあるワゴン車を見かける。そのバンの側面には、「歯」のイラストが描かれていた。その後、紛争の最前線に位置する街アウディイウカを訪れたキーハートは、まったく同じイラストの描かれたシャツを着た男が病院で働いていることに気がついた。歯科手術用照明LEDライト


男は自身が「Dill Dental」と呼ばれる組織に属していることを明かした。Dill Dentalは有志の歯科医が集まってつくられたボランティア組織であり、紛争地域で治療を行うために各地から集まっているのだという。彼らの活動に惹かれたキーハートは16年9月に再度ウクライナを訪れ、彼らが紛争地帯で治療を行う様子を撮影し『Ukrop Dental』というプロジェクトにまとめ上げた。

Ukrop Dentalの診療所は、ウクライナ東部に位置するカルロフカという街の空き家を利用してつくられた。さらに最前線に近づく場合は特別に改造されたワゴン車に乗り、最長2週間のシフトを組んで治療に向かう。患者の多くは兵士だが、周辺に住む民間人を治療することもある。歯科用インプラント装置


「米国において、歯科医はどこか『退屈な仕事』だと思われているところがあります。ですから、Dill Dentalの人々が極端に危険な環境でそんな仕事をしていることには驚かされました」とキーハートは語る。診療所は紛争地帯からそう離れていないため、ときには爆発音が外から聞こえることもある。キーハートの写真は一見普通の歯科医の治療風景を捉えているようにも思えるが、白衣の上から羽織った迷彩服はそこが非日常的な空間であることを思い出させてくれる。

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Posted by athena  at 17:27 │Comments(0)

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