社説:歯の健康づくり 高齢社会支える土台に
歯磨きに代表される口腔(こうくう)ケアは健康を維持する上で欠かせない。食べ物をかんだりのみ込んだりする口腔機能の低下は日常生活に支障を来す。全国で最も高齢化が進む本県だけにケアに力を入れたい。
根管長測定器
県は「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」(2018~21年度)の骨子案に口腔ケアの推進を盛り込んでいる。その柱の一つが、80歳になっても歯が20本以上残っていることを目標とする「8020運動」だ。
根管治療機器
8020運動は厚生労働省などが1989年から提唱している。目標を達成した80歳以上の人の割合は年々増加し、2016年の全国平均は51・2%だった。だが本県は17・07%と全国平均を大きく下回った。この率を引き上げなければならない。
大人が歯を失う最も大きな原因は歯周病だ。痛みを伴わずに進行する「静かな病気」と呼ばれ、気付いた時には悪化しているケースが少なくない。歯茎などが炎症する歯周病は糖尿病や肥満との関連が指摘され、体力の衰えた高齢者は歯周病菌が原因の誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こしやすい。
予防には定期的な歯科検診が有効だが、16年度の県調査によると、検診を年1回以上受けている人は26・6%にとどまった。年代別では20代が6・4%と最も低く、30~60代もそれぞれ20%台と低迷していた。
http://blog.eigyo.co.jp/luccye/article/355300