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2018年05月07日

遺伝子の変異による発達障害を胎児期に治療する

自閉症の科学シリーズとタイトルをつけましたが、今日紹介したい論文は、胎児期に治療できる可能性がある遺伝病があることを示した研究で、自閉症とは直接関わりがないことをお断りしておいたほうがいいでしょう。しかし、自閉症の多くは胎児期・発達期の神経ネットワーク形成過程の問題に由来しています。すぐに関係がなくても、胎児期、発達期の治療法の研究は、将来の自閉症治療にもつながる可能性があると考え、シリーズとして紹介することにしました。根管長測定器

XLHED
日本語でも、英語でも、読もうとすると舌を噛みそうな名前、X-linked hypohidrotic ectodermal dysplasia (X染色体連載低発汗性外胚葉異形成症:XLHED)、のついた病気があります。X染色体上に位置するEDAと名前がついた分子をコードする遺伝子の突然変異が原因の病気で、突然変異を持つ男性のみに、1)汗腺の形成不全による発汗障害、2)毛根形成障害、3)歯の数の減少、の3つの症状を中心に、口腔や鼻腔の様々な発生障害が起こります。根管治療機器

これらの症状のうち、体温を調節する汗が出ないことが最も深刻で、体温が上昇し易く、特に子どもの場合死を招いてしまう心配があります。EDAは細胞膜から細胞外に飛び出ている分子で、毛根や汗腺の元になる皮膚上皮細胞を刺激して発生を促しています。これまでの研究で細胞が刺激されると何が起こるのかなど良く研究が進んでいます

遺伝子の突然変異があっても、もし外から正常のEDAを供給することができれば、この病気を治療することができるはずです。EDAはもともと細胞膜上に存在していますが、細胞膜から切り離しても効果を発揮できることがわかっています。すなわち、効果を持つEDA分子を試験管内で合成できるのです。大事なことは、EDAが毛根や汗腺の発生するときだけに必要で、大人になると必要がなくなることです。実際、成長して病気が完成してしまうと、EDAに反応する細胞は皮膚から消えてしまい、外からEDAをいくら足しても、治療ができないのです。一方、EDAが必要な胎児期や発達期であれば、合成したEDAを外から加えることで、EDAの機能が欠損した子供の病気を治療できることができるはずです。

http://blog.eigyo.co.jp/luccye/article/322605



Posted by athena  at 15:15 │Comments(0)

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