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2017年04月10日

虫歯を塞いでしまう画期的歯磨きを日本人(ヤマガシ・カズエ)が発明?

一度溶かして再結晶化?驚きの歯磨きの登場

イギリスの新聞社の「The Daily Telegraph」で報道されたと一部のネット上で話題となった日本人学者の『ヤマガシ・カズエ』という謎の人物歯科技工用真空成型器。その名前で検索かけても詳しい情報が出てこなくて『何なんだこの人は?』とそもそもこれは誤表記であって、正しくは『ヤマギシ・カズエ(山岸一枝)』という方。
この山岸一恵さんは『FAP美白歯科研究会』の代表であり、過去にも2005年に山梨大との共同でエナメル質の主成分であるハイドロキシ・アパタイトにフッ素イオンを組み込んで強酸の溶液と混ぜてペースト状にし、傷ついたエナメル質部分に塗って再結晶化させるという研究をイギリスの科学誌『Nature(ネイチャー)』で発表した事で話題になった方です。
2005年に発表されたこの研究では、強酸によりエナメル質からカルシウムやリンが溶け出してしまうというこの作用を逆に利用。ペーストをカルシウムとリンが過剰に入った「過飽和状態」にしておき、そのカルシウム&リン過剰ペーストに含まれる強酸でいったんエナメル質部分の表面の成分が溶け出しても、大量にあるために再結晶化につながる歯科ハンドピース用 カートリッジ。すると電子顕微鏡や原子間力顕微鏡で見ても、天然エナメル質と同じ構造で再結晶化し、エナメル質が再生していたというのです。
NSK向け歯科タービンカートリッジ

「The Daily Telegraph」で報道されたというこの記事は2014年3月に話題になった内容なんですが
新しく開発された新歯磨きは、その成分が歯のエナメル質に類似しており、歯の割れ目に直接用いることができる口腔内照明器。歯磨きに含まれた酸がひびの入ったエナメル質の表面をわずかに溶かし3分後には歯磨き自体が結晶化し、人工的な物質は自然のエナメル質の構造に、しっかりと組み込まれてゆく。
日本の歯科専門家らが行ったテストでは、新型歯磨きを使って治療した歯は、健康な人の歯と全く変わらず、顕微鏡でも見分けがつかないという。
と、いうような内容でした。完全に2005年頃の研究と似たような内容です。9年も前に発表された画期的な研究を今更引っ張りだしてきたのか、はたまたその研究を元に歯磨き粉を開発したという記事なのか『ヤマギシ・カズエ』を『ヤマガシ・カズエ』と誤表記するような情報発信元なんでちょっと怪しいです。
そもそもエナメル質を修復する事が出来るだけであって、虫歯を塞ぐというのは間違いだと思います。虫歯と言っても修復出来るのは初期虫歯だけだと思います。

アパガードリナメルとは違うの?

歯磨きでヒビの入ったエナメル質を補修するという内容を読んで『アパガードリナメル』という商品と一緒じゃんって思った方もいるかと思います。実際にそれと混合されている方のコメントもあったりしました。
しかしそれとは考え方が違っていて、アパガードリナメルには『ナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイト』という天然のハイドロキシアパタイトに近い組成成分が含まれています。その成分によりナノ粒子レベルという天然のハイドロキシアパタイトよりも細かい粒子レベルで歯の再石灰化を行うというもので、この研究とは全く別物です。
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Posted by athena  at 22:11 │Comments(0)

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